浄化槽で汚れをきれいにしている主役は、槽の中で働いているたくさんの微生物や小さな動物たちです。
 トイレや台所などから流された汚水は、槽内に汚水中の浮遊物や固形物をため込み、嫌気性微生物(酸素のないところで繁殖する微生物)や好気性微生物(酸素のあるところでさかんに繁殖する微生物)が汚水に含まれる有機物を食べて取り除いてくれます。ですから、浄化槽の管理で一番大切なことは、この小さな生き物たちに元気で働いてもらうことなのです。そのためには、定期的な保守点検や清掃の実施、日常の使い方にもちょっとした気配りが必要です。


< 浄化槽のしくみ >



下水道と同等に処理能力が高いこと
 生活排水の汚れを10分の1に減らし、きれいな処理水を排水するので安心して流すことができます。

設置費用も下水道などと比較すると少ない費用で設置できること

工事は1週間程度と短期間で使えるようになること
 工期は短く,すぐ効果が発揮できます。

川の水量が確保されること
 きれいな水を各家庭から流すことで、身近にある小川や排水路がきれいになり、地域の川などの水量も確保できます。

設置スペースが小さいこと
 わずかなスペースがあれば設置できます。

補助金を受けられること
 下水道計画区域外や農業集落排水処理計画外は補助金制度があり、個人負担が軽くてすみます。




 浄化槽(合併処理)は、微生物の働きにより汚水を浄化する恒久的な汚水処理施設です。浄化槽の機能を十分に発揮させるために、日常における浄化槽の正しい使用や健康管理としての保守点検、清掃の実施。これらを総合的に診断する法定検査を定期的に受検することが大切です。
 維持管理が適正に行われないと、浄化槽の機能が低下し、汚れた水が流れ出して地域の川・湖沼などの環境汚染の原因になるばかりでなく、浄化槽の機能を正常に戻すために余分な費用がかかることになります。




 浄化槽は微生物によって汚水を処理する装置なので、その微生物が活発に活動できる状況を常に保つ必要があります。
 したがって、個々の浄化槽によって使用する人員や使用状況、処理方式や大きさも異なります。また、季節による水温の変化に応じたメンテナンスを行う必要があります。
 この作業を保守点検といい、処理方式や規模によって実施しなければならない回数が規定されています。
 また、浄化槽の保守点検を委託する場合は福島県、郡山市及びいわき市に登録した業者でなければ行うことができませんので、あらかじめ登録業者かどうか確認して委託契約をしましょう。
 なお、保守点検を行った場合、点検の記録票が渡されますので、3年間は保存しておいて下さい。
 保守点検を行う際には、技術上の基準が法律により定められており、これにしたがって保守点検が行われます。
 具体的には、
  1. スカムの返送又は移送や逆洗洗浄及び清掃時期の判断などの汚泥の管理
  2. 送風機の点検や空気量の調整
  3. 装置や機器類の調整・修理
  4. 消毒剤の補給
  5. シーディングなどの微生物の管理E放流水質のチェック
等の作業を行います。




 浄化槽を適正に使用していても、1年程度経過すると槽の中に夾雑微や生物の死骸などがスカムや汚泥となって溜まります。スカムや汚泥が溜まりすぎると浄化槽の機能に支障をきたし、十分に処理されず水質の低下や悪臭の原因となります。これらを防ぐため、年一回の清掃が必要になります。
 ただし、使用人員や使用状況により清掃時期が早まったりしますが、保守点検の作業を行う浄化槽管理士が最終的に清掃時期の判断をします。
 浄化槽の清掃は技術上の基準が法律により定められており、これにしたがって清掃が行われます。
 具体的には
  1. スカムや汚泥などの引き抜き
  2. 槽内部の装置や機器類の洗浄
  3. 槽内に異常がないか目視による点検
  4. 土圧などによる槽本体の破損を防ぐことや浄化槽の機能が速やかに回復できるよう槽内に水を張る作業
です。水張り後に、ブロワー(送風機)の電源を入れ作動させると浄化槽の運転が再開され使用可能な状態になります。
 浄化槽の清掃は、市町村長の許可を受けた業者でなければ行うことができませんので、あらかじめ許可業者かどうか確認して依頼しましょう。清掃後には清掃の記録票が渡されますので、3年間は保存しておいて下さい。




 昭和60年10月1日から「浄化槽法」が施行され、この法律により、浄化槽管理者は浄化槽を使い始めてから6ヶ月経過後に「設置後等の水質検査」を、それ以降は年1回の「定期検査」を受けることが義務づけられました。

●設置後等の水質検査(法第7条)
 新たに設置され、またはその構造若しくは規模の変更をされた浄化槽については、その使用開始後3ヶ月を経過した月から5ヶ月以内に福島県知事が指定した検査機関(指定検査機関)の行う水質に関する検査を受けなければならないことになっています。この検査は、浄化槽法第7条に規定されているので「7条検査」と呼ばれています。
 これは浄化槽の工事、保守点検が適正に行われているか、浄化槽の機能が発揮され、きれいな水が流されているかどうかを確認する検査で、機能上支障があれば早期にそれを是正することを目的としたものです。

●定期検査(法第11条に定める維持管理状況検査)
 浄化槽管理者は、浄化槽が所期の機能を十分発揮し、放流水質が悪くなって身近な生活環境の悪化などにつながることがないように、福島県知事の指定する検査機関の定期検査を毎年1回受けることとされています。この定期検査は、浄化槽法第11条に規定されているので、「11条検査」と呼ばれています。
 なお、この検査は保守点検や清掃が法律の規定通りに実施され、浄化槽の機能が正常に維持されているかどうかについて検査するもので、浄化槽の規模や処理方式等にかかわらず、すべての浄化槽が受検の対象となっています。




台所での気配り
 調理器や食器についた油などはペーパーなどで拭き取ってから洗うと浄化槽の負担が軽くなります。
  • 食べ残し(味噌汁・牛乳お酒)などはできるかぎり流さない。
  • 使用済みの天ぷら油などは流さない。
  • 野菜くずなどの生ごみがそのまま流れないよう、三角コーナーや排水溝に水切り袋を使いましょう。
  • 米のとぎ汁は流さず、植木鉢や家庭菜園などの植物にあげましょう。

お風呂での気配り
 たくさんの水を一度に流すと、浄化槽内に堆積した汚泥が流れだしてしまいます。お風呂の残り湯を流すときは、栓をななめにして少しずつ流すようにしましょう。
  • カビ除去剤を使用した際は、不要なタオルかキッチンペーパーなどでふき取ってゴミとしてだすか、使用後は水で十分に洗い流してください。
  • イオウ温泉系の湯の華や入浴剤は避けたほうが無難です。それ以外の入浴剤は問題がないと思われますが、説明書きに記載されている使い方を守ってください。

洗濯での気配り
 洗剤はカップではかり少ない量で使用しましょう。
  • 洗剤や洗濯仕上げ剤はできるだけ中性のものを使ってください。

トイレ
 専用のトイレットペーパーを適度にお使い下さい。
  • 水に溶けにくい紙、生理用品、衛生用品、たばこの吸殻などは流さないでください。
  • 便器の掃除はぬるま湯あるいは中性洗剤を適量使用し、塩酸などの薬品は使用しないでください。
  • 洗浄芳香剤の使用は委託している浄化槽管理士に相談してください。

浄化槽のスペースの利用
 浄化槽の上部は保守点検や清掃が容易に行えるスペースを確保してください。
  • 浄化槽上部には物や植木鉢など維持管理に支障が生ずるものは置かないでください。
  • 駐車場として利用する場合は、車の荷重に耐えられるような工事が必要となりますので、浄化槽の設置工事を行う前に工事業者に相談してください。
  • 浄化槽の上に建造物をつくらないでください。

浄化槽の電源
 送風機やポンプの電源は切らないでください。
  • 送風機が停止すると酸素を必要とする微生物が死滅しますので、電源は切らないでください。また、空気の特性を利用した機能が停止し、水質が悪化したり悪臭が発生します。
  • 槽内が満水とならないよう放流ポンプなどの電源は切らないでください。